データベースとモデルオブジェクト
本書は、『Ruby on Rails 5.0 初級』シリーズの第 2 巻です。この巻のメインテーマは、モデルオブジェクトとリレーションオブジェクトです。プログラミング言語 Ruby では、文字列、整数値、日付などのデータを総称してオブジェクトと呼びます。このオブジェクトに新しい仲間が加わるというわけです。モデルオブジェクトとリレーションオブジェクトは「データベース」に関わるオブジェクトです。この巻では、データベースの初歩についても学習します。
サブテーマとして、「日付と時刻」の扱い方を学びます。文字列や整数といったオブジェクトと比べて、「日付と時刻」はやや複雑なオブジェクトです。もうひとつのサブテーマは、条件分岐です。「もし A なら X を評価し、そうでなければ Y を評価する」といった処理を Ruby で記述する方法について解説します。
以上が Ruby on Rails に直接関連する学習テーマですが、その他に『初級①』で初歩を学んだ Bootstrap のグリッドシステム(grid system)が重要テーマとなります。これを活用すれば、ブラウザの表示幅に応じてレイアウトを柔軟に変化させるレスポンシブウェブデザイン(responsive web design)を簡単に実現できます。
この巻は前巻『Ruby on Rails 5.0 初級①』から内容的に独立しています。前巻で作ったのとは別の Web アプリ(簡易予約表管理システム PicoPlanner)を最初から作っていきます。ですから、前巻を読んでいなくてもこの巻を用いて学習を進めることはできます。しかし、しばしば本文の中で『初級①』を参照していますし、『初級①』で説明したことについてはごく手短に済ませたり、解説を省いたりしています。できれば、『初級①』を手元において、復習しながら学習を続けることをお勧めします。
本書を読み終えた読者は、OIAX BOOKS の『Ruby on Rails 5.0 初級③』(2016 年冬刊行予定)に進んでください。
扉・目次・奥付を除いた本文の分量は B5 変型判(一般的なコンピュータ書の判型)で 140 ページ相当です。